高精度単年輪14C測定による弥生から古墳期の暦年較正の高解像度化
基盤研究(A)一般
高精度単年輪14C測定による弥生から古墳期の暦年較正の高解像度化
研究代表者 | 坂本 稔(本館・研究部) |
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研究分担者 | 三宅 芙紗(名古屋大学) 門叶 冬樹(山形大学) 箱崎 真隆(本館・研究部) |
研究目的
炭素14年代法は人類史・自然史資料に精密な暦年代を与える理化学的年代法として広く利用されている。2020年に北半球標準暦年較正曲線IntCalが改訂され、申請者らの日本産樹木年輪の炭素14データが多数採用、弥生から古墳期の日本産資料の暦年較正が格段に改善した。しかしながら採用されたデータは5年輪をまとめて測定されたもので時間解像度が荒く、近年の先史考古学、人類学研究の求める精度に達しているとは言い難い。本研究では過去1万年間で最も較正誤差が大きい時期の一つ、いわゆる「2,400年問題」およびIntCal20で大幅に改訂された西暦1から4世紀に焦点を当て、1年輪単位の炭素14測定を網羅的かつ反復して実施する。これにより、日本列島周辺の炭素14濃度の挙動を精密に復元し、誤差の小さい暦年較正を実現する。