くらしの植物苑
くらしの植物苑は、博物館を少し離れて、旧佐倉城の一郭に位置しています。生活文化にゆかりのある植物を系統的に植栽しており、自然や植物にかかわる特別企画や観察会などを開催しています。
- 目次
くらしの植物苑とは?
苑内には、食物として利用するビワ、ウド、クルミ、紙や布をつくるために利用したシナノキやフジ、ワタ、糸や布を染めるために利用するクチナシ、クワ、ベニバナ、薬として利用するナンテン、イチョウ、ドクダミ、そして道具づくりに利用したシラカシ、ケヤキ、ヘチマ、塗装や接着・燃料などに利用するマツ、ウルシ、エゴマなど、さまざまな植物を6つのエリアに分けて植栽しています。
また、冠木門(かぶきもん)と休憩所、植栽の景観は、江戸時代の武家屋敷から山野にいたる風景をイメージしています。
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治す-naosu-薬として利用する植物
薬として利用するナンテンなどの常緑樹、イチョウなどの落葉樹、ドクダミなどの草本類があります。「出雲国風土記」(天平5年・733年)の中には、商陸(しゃうりく:ヤマゴボウのこと)、苦参(クララ)、芍薬(しゃくやく)など多数の薬草が出てきます。
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染める-someru-染料として利用する植物
染料として利用するクチナシなどの常緑樹、クワなどの落葉樹、ベニバナなどの草本類があります。合成染料が現れる前、染料には植物の樹皮や実・茎などに含まれる色素を用いてました。平安時代の十二単には「襲(かさね)の色目」という配色の妙が見られます。
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織る・漉く-oru/suku-糸や布、紙を
つくるために利用する植物布を織るため、あるいは紙を漉く(すく)ために利用するシナノキやフジなどの、ワタなどの草本類があります。バショウの葉から芭蕉(ばしょう)布、カラムシの茎から苧麻(ちょま)布などを作ります。江戸時代には木綿布の古着は裂織(さきおり)に仕立てなおし、再び各地で利用しました。
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食べる-taberu-食料として利用する植物
食料として利用するビワなどの常緑樹、トチノキなどの落葉樹、ウドなどの草本類があります。トチノキ、クルミ、カシ類などの実は縄文人にとって大切な食料でした。稲作を始めてからも、山間部では常食にしており稲作民は救荒用(きゅうこうよう:他の作物が不作の時にも収穫できる作物)として摂取し、保存していました。
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道具をつくる-tsukuru-道具を作るために
利用する植物器や道具の材料として用いるシラカシなどの、ヘチマなどの草本類があります。ブナなどに代表される落葉広葉樹林では、特に多くの木を利用しています。家具はケヤキ、トチノキなど、かごはシナノキ、ヤマブドウなどが使われました。
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塗る・燃やす-nuru/moyasu-塗料や燃料として
利用する植物塗料や燃料の材料として利用するマツなどの常緑樹、ハゼノキなどの落葉樹、エゴマなどの草本類があります。樹液や種子に油脂分を含む植物を塗料などに利用します。漆を用いた漆工芸は縄文時代にはすでに高度になり、接着剤や塗料にも用いられてきました。
今週のみごろ
施設情報
開苑時間・休苑日
開苑時間 |
9:30〜16:30 |
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休苑日 |
毎週月曜日(ただし、休日の場合は翌日が休苑) ※4月30日(火)、8月13日(火)は臨時開苑 年末年始(12月27日~1月4日) ※悪天候の際は安全のため臨時に休苑させていただくことがあります |
入苑料
個人 (大学生以上) |
100円(税込)<50円(税込)> ※2024年4月29日(月・祝)(歴博みどりの日)、9月14日(土)(植物苑開苑記念日)、11月3日(日・祝)(文化の日)、2025年1月12日(日)、2月9日(日)、3月9日(日)は入苑無料です。 |
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高校生以下 |
無料 |
※<>内は20人以上の団体料金です。
※障がい者手帳等保持者は手帳等提示により、介助者と共に入苑無料。
※博物館の半券の提示で、当日に限りくらしの植物苑にご入場できます。また、植物苑の半券の提示で、当日に限り博物館の入館料が割引になります。
- 悪天候時の臨時休苑について
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国立歴史民俗博物館くらしの植物苑では、来苑者の安全を確保するために、下記の場合には臨時に休苑させていただくことがあります。ご理解とご協力をお願いいたします。
- 気象警報(大雨・雷・暴風・大雪等〉が発令されたとき
- 瞬間最大風速が20m/sを超えたとき
- 積雪・倒木等により苑路の通行が困難なとき
- その他、来苑者に危険が及ぶと判断されるとき