第6展示室
明治時代から昭和まで、日本の人びとは、いくつもの戦争を経験しました。兵隊の生活や彼らを支えたひとびとなど、その時代を民衆の視点で描いています。戦争が終わり、高度経済成長を迎えるなかで、ひとびとの生活は大きく変わってゆきます。現在の日本と世界にさまざまな影響を与え続けている1930年代から1970年代までを展示します。
①「戦争と平和」
日本は、19世紀後半に欧米を中心とする国際社会に登場してから、20世紀前半にいたる間、数々の戦争を繰り返しました。明治期の日清戦争・日露戦争、大正期の第一次世界大戦、昭和期のアジア・太平洋戦争などです。近代化が欧米列強に追いつくことを意味した当時、富国強兵が国家の目標とさ れ、そのためには自国、他国をふくめた犠牲を伴いました。平和というものに絶対的な価値はおかれませんでした。
さらに、戦争の終結からサンフランシスコ平和条約発効までに至る、時代の節目に当たる占領期をめぐって、おもに人びとの生活事情に焦点を当てます。
歩兵第五十七連隊兵舎模型
縮尺50分の1。1928(昭和3)年当時の資料にもとづいて製作。
入営祝いの幟
親類・知人が贈ったもので、見送りの際に各家庭の前や駅などに立てられた。
闇市・露天の実物大再現
戦争終結後、各地にできた闇市のようすを写真にもとづき再現したもの。
②「戦後の生活革命」
高度経済成長とは、戦後日本の1950年代半ばから70年代初めまでの驚異的な経済成長でした。重化学工業を中心とした産業がそれを支え、農山漁村から大量の人口が都市へ流入しました。便利で快適な電化生活が実現し、それは現代の私たちへとつながる都市型生活の幕開けでもありました。また、ここでは戦後の日本を改めて考え直し、私たちにとっての「戦後日本」はどのようなイメージとして描かれ、意味をもっていたのかを当時の映画、テレビ番組、CM、雑誌などの大衆文化にも注目して検証してみます。
田子倉水没集落再現模型
縮尺500分の1。1956(昭和31)年田子倉ダムの建設にともない水底に沈んだ山村を模型で復元。
日本住宅公団団地実物大再現
1962(昭和37)年に建設された赤羽台団地のダイニングキッチンほか実物大再現。
テレビスタジオ再現
時代を映す鏡として、1960年代から1970年代後半までのテレビCM映像を紹介。