第4展示室
わたしたちのくらしはどのようなもので、どう変わったのか? 身近なおせちや名産品、神様や妖怪といった不思議なものに対する恐れと祈り、幸せを願う祭りやおまじない、自然と向きあい生きる技と知恵など、昔につながる今を紹介しています。
①「民俗」へのまなざし
現代社会における民俗について考える観点から、産業開発や消費文化の影響を受けつつ変貌する民俗を展示します。
おせち料理
2009年の年末にデパートで販売されていたおせち料理の複製です。近代以降、デパートは季節や人生にかかわる商品を開発していきました。行事の際に特別な料理を食べる民俗も商品として消費されていきます。
現代の狩猟者
青森・秋田にまたがる白神山地においてマタギの文化を受け継ぎつつ行なわれていた狩猟は、世界遺産への登録によって制限されるようになりました。自然を保護する制度がおよぼす影響から、人と自然のかかわりを問い直します。
②おそれと祈り
安らかで幸せな生活を願って人びとは何をおそれ何に祈ってきたのかを考える観点から、祭りや妖怪、まじない、人生儀礼、死との向きあいかたなどを取り上げ、人智を超えた見えないものに対するいとなみを展示します。
宇出津あばれ祭
石川県能登町の宇出津で行なわれるあばれ祭は、キリコが乱舞し、神輿を海や川・松明のなかに投げこむ、祭神に荒々しく働きかける祭りです。神輿は実際に祭で用いられたものを展示しています。
鬼ようちょ
長崎県平戸市でつくられている伝統的な凧です。絵柄は渡辺綱の鬼退治の様子であり、男の子のすこやかな成長を願って初節句に贈られます。
供養絵額
岩手県遠野市の長泉寺に奉納された、夭折した死者を供養するための絵額です。
③くらしと技
人びとは生きていくためにどのような場所で暮らし、どのような道具や技を用いてきたのかを考える観点から、生活や行事の場としての家、商人や職人の活動、農業や漁業を取り上げ、厳しくも豊かな自然や変化する社会の中で生きる人びとの姿を展示します。
尾形家住宅
宮城県気仙沼市にあった築200年以上の古民家の一部を復元しています。
カラカラ
沖縄県の壺屋焼の焼き物です。泡盛の酒器として用いられます。
近江西物部集落模型
滋賀県長浜市高月町西物部の集落を再現した模型です。設定は、昭和50年代後半の初夏のある日にしています。