期間限定の展示資料:第2展示室

王朝文化

終了予定日:2025年1月19日(日)

【重要文化財】大織冠伝(柳原家資料) 本館蔵

弘安年間(1278~1288)に元興寺(奈良市)極楽堂東房で書写したもの。外題に「大織冠公御伝」(藤原鎌足の伝記)とあるが、実は『多武峯縁起』の最古の写本である。本文には墨書の仮名・返り点が加えられており、鎌倉時代中期の片仮名資料でもある。

時代:1280年代頃|数量:1巻

【重要文化財】中右記部類 巻七(古写本) 本館蔵

右大臣藤原宗忠(1141年没)が60歳頃に、人々を指揮して自らの日記『中右記』の記事を整理・分類した事典。原本は散逸したが、30巻以上あったらしい。この古写本では、巻物の片面に年中行事秋部上(相撲の節会の記事)を、他面には漢詩集を写している。

時代:鎌倉時代前期|数量:1巻

源氏物語 常夏 (旧高松宮家禁裏本) 本館蔵

伏見宮邦高親王・近衛政家・一条冬良ら、公家や僧侶が54帖を各帖ごとに分担して書写したもの。冬良が統轄者で、各帖に冬良自身の奥書がある。本文は『源氏物語』の中でも河内本系に属する。

時代:14世紀|数量:1帖

古今和歌集(俊成本)上 本館蔵

10世紀初期に成立した勅撰和歌集。巻末に永暦2年(1161)の藤原俊成の奥書が書写されている。俊成が校勘・書写した、いわゆる俊成本の古写本であり、その古い形態を伝える最古本として貴重である。

時代:13世紀後期|数量:1帖

終了予定日:2025年3月16日(日)

金光明最勝王経 巻第九 複製 原品:奈良県 西大寺蔵

天平宝字6年2月8日、百済豊虫が両親の追善のために発願した供養経。全巻にわたって白点(第二群点)と白書の注記があり、さらに朱点が加筆されている。白点は天長7年(830)頃と推定されている。また朱点は喜多院点で、承徳元年(1097)に加えられた。

天平宝字6 (762)年|数量:1巻

紙本墨書宮城図 複製 原品:京都府 陽明文庫蔵

宮城図(大内裏図)・内裏図・八省院図(朝堂院図)・豊楽院図を収める。『延喜式』(九条家本)の付図とともに平安時代の大内裏の様子をうかがわせる重要な資料。巻末に元応元年に僧頼円が鎌倉の足利上総前司の館で書写した旨の奥書がある。

時代:元応元(1319)年|数量:1巻

終了予定日:2025年4月

北山抄 巻第二 複製 原品:前田育徳会尊経閣文庫蔵

平安時代中期に藤原公任(966~1041)によって作られた私撰の儀式書。書名は公任が晩年に隠棲した京都・北山の地名による。恒例・臨時の儀式、太政官の政務、国司の行事などを記す。全10巻。展示個所は11月新嘗会における豊明節会の部分。本書の原本は平安時代後期の写本である。

時代:平安時代|数量:1巻

内裏式 中巻 複製 原品:宮内庁蔵(九条家本)

平安時代前期に嵯峨天皇が右大臣藤原冬嗣(775~826)らに命じて撰定させ、弘仁12年(821)に奏上された最初の勅撰の儀式書。全3巻。正月から12月までの年中行事と4項目の臨時行事とから構成される。展示個所は11月新嘗会の部分。本書の原本は鎌倉時代後期の写本である。

時代:鎌倉時代|数量:1巻

印刷文化

終了予定日:2025年2月2日(日)

【国宝】宋版漢書(慶元刊本) 巻三十四 本館蔵

南宋慶元刊本として完存。「建安劉元起刊/丁家塾之敬室」「建安黄善夫刊/丁家塾之敬室」の刊記ならびに慶元年間の建安劉之問識語がある。刊年・出版地・伝来は『史記』に同じ。

時代:南宋慶元年間(1195~1201)刊|数量:1冊

【重要文化財】宋版備急千金要方(びきゅうせんきんようほう) (金沢文庫本) 巻第二十五 本館蔵

唐代に成立した医書。本書の開版は南宋の孝宗〈1163~1190〉頃のことと推定される。本文中には補刻の部分も多いが、13世紀初期のものと考えられる。金沢文庫の黒印が押されている。

時代:南宋・12世紀後期刊|数量:1冊

新刊五百家嘉慶註音弁唐柳先生文集 五山版 巻第四 本館蔵

刊記に見える兪良甫は、明国福建仁徳里台諫坊の住人であったが、わが国に渡来し、京都に住んで、五山版の刊行に携わった。彼の他にも明の刻工が来朝しているが、その活躍を示すものである。

時代:嘉慶元年(1387)刊|数量:1冊

版本法華疏記(ほっけしょき) 叡山本 巻第五末 本館蔵

本書は、法印権大僧都承詮が願主となり、弘安5(1282)年~永仁4(1296)年頃にかけて、開版したもの。叡山版は、南都版や高野版に比して遺品が少なく貴重。版下筆者に宋人了一の名が見える。

時代:13世紀末刊|数量:1冊

版本群書治要 古活字版(銅活字)駿河版 巻四十五

徳川家康は駿府(静岡市)に隠棲後、銅活字を鋳造して印刷を行わせたが(いわゆる駿河版)、本書はその一つである。そのときの銅活字は現存し、重要文化財に指定されている。

時代:元和2(1616)年刊|数量:1冊

版本大学衍義 巻第八 本館蔵

本書は朝鮮で宣徳9年(1434・甲寅年)に鋳造された銅活字「甲寅字」によって印刷されている。その文字・印刷は美しく、朝鮮における銅活字印刷技術の水準の高さをよく示している。

時代:16世紀|数量:1冊

版本貞観政要 巻第三 本館蔵

関ヶ原合戦直前の慶長5年2月、西笑承兌が徳川家康の命により刊行した旨の刊記がある。ここには家康が、秀吉の遺命により秀頼をよく輔佐していることを讃えているのが注目される。

時代:慶長5(1600)年刊|数量:1冊

版本源氏物語 古活字版 東屋 本館蔵

源氏物語の最古の版本として著名。標題は光悦風の書で、いわゆる嵯峨本の一つとされている。刊記はないが、慶長年間(1596~1614年)頃に木活字をもって印刷されたものである。

時代:17世紀初期|数量:1冊

版本謡曲 誓願寺 本館蔵

観世流謡本百番のうち、表紙には雲母刷模様を施した色紙を用いる。本文料紙には一面に雲母を引きその上に雲母刷模様を施したもの(第1種)と、模様を省略したもの(第2種)等がある。

時代:17世紀初期|数量:1冊

東国と西国

終了予定日:2025年4月

紀伊国峠田庄絵図 複製 原品:神護寺蔵

峠田庄は現和歌山県伊都郡かつらぎ町笠田付近の神護寺領荘園。本図は境界を示す五個の傍示によって荘園の領域を示した四至傍示図である。集落や寺社なども描かれ、平安後期の荘園の景観がうかがわれる。

時代:12世紀|数量:1幅

播磨国鵤庄絵図(至徳図) 複製 原品:奈良県 法隆寺蔵

鵤庄は現在の兵庫県龍野市・太子町付近に当たる。法隆寺の最も重要な荘園で、末寺として建立された斑鳩寺が今日に残る。絵図には付近の景観と条里の界線が描かれ、地名・牓示・周囲の荘園などが記されている。

時代:至徳3(1386)年|数量:1幅

武蔵国鶴見寺尾絵図 複製 原品:神奈川県立金沢文庫蔵

武蔵国鶴見寺尾は現横浜市鶴見区東寺尾付近。絵図の中央に見える「寺」の寺領および境界と、それに対する周囲の武士による押領の状態を描いたものと思われる。関東地方では現存する唯一の荘園絵図である。

時代:建武元(1334)年|数量:1幅

民衆の生活と文化

終了予定日:2025年4月

年中行事絵巻 複製 巻第九 原品:京都芸術大学蔵

原本は後白河法皇が作らせた60余巻の絵巻。近世の模写で一部が伝存する。展示しているのは、「祇園御霊会」や「稲荷御霊会」などの祭礼の様子を描いた部分。「御霊会」は、病気をはやらせる貴族や天皇の怨霊をなぐさめて病魔を退散させようとした祭礼で、都の祭りはこれから始まった。

時代:12世紀|数量:1幅

大名と一揆

終了予定日:2025年2月2日(日)

紺糸威肩紅白紅腹巻 本館蔵

時代:15世紀末~16世紀 室町時代|数量:1領

「雑々文書」 田中穣氏旧蔵典籍古文書 本館蔵

京都の収集家、田中教忠氏が集めた土地売券類の巻物。

右の文書は、銭の借用状。所有田を抵当としており、利子のみで借入金と同額になったときには、田の所有権を手放すことが記されている。毎月一貫ごとに四十文の利子(=三百八十文)のため、おおよそ二年で完済しなければ質流れになったことになる。

左の文書は田地売券。売券には田地の面積や所在地、売却額、領主に対して納める年貢等が記される。

●しんれん借用状
写真釈文

●藤原正宗田地売券
写真釈文

時代:平安~室町時代|数量:1巻

六角義賢書状 本館蔵

南近江を支配した戦国大名六角義賢(一五二一~九八・法名承禎)が、家臣の池田宮内丞と吉田修理進に宛てた書状。

近江国甲良庄で分水施設が故障して水の配分が一定しないため、上流の砂を取り除くよう庄内の三郷に指示したもの。それでも改善されない場合や分木が破損した場合は、領主の尼子氏に分水施設の修理を申し付けるよう命じている。


●室町幕府管領奉書
写真釈文(読み)

時代: 16世紀 室町時代|数量:1冊

大航海時代のなかの日本

終了予定日:2025年2月2日(日)

南蛮屏風 本館蔵

時代:17世紀|数量:1点

花樹草花蒔絵螺鈿洋櫃 南蛮漆器ほか 本館蔵

ポルトガル人の注文によって輸出用につくられた漆器。大小の櫃と書箪笥は、ヨーロッパ家具の形態に倣うもので、京都の工房で大量に作られ、輸出された。このほか、聖龕(聖画を入れる厨子)・書見台(聖書を載せる台)・聖餅箱(オスチアを入れる容器)などのキリスト教関連漆器も作られた。

時代:17世紀|数量:1点

終了予定日:2025年5月

錆地五枚胴具足 本館蔵

時代:文禄3(1594)年5月|数量:1点