期間限定の展示資料:第2展示室

王朝文化

終了予定日:2024年10月6日(日)

【重要文化財】紙本白描隆房卿艶詞絵巻 本館蔵

藤原隆房と美人小督の悲恋を扱った絵巻。詞書は長歌の形式をとり、絵は墨だけのいわゆる白描画である。画中の人物の服装や建物の内部は、必ずしも忠実に描かれているわけではないが、鎌倉時代の貴族の服装や殿舎の様子をうかがい知る助けにはなろう。

時代:13世紀|数量:1冊巻

【重要文化財】千載佳句 上 本館蔵

中国・唐の時代の詩人の秀句を集めて分類した、漢詩文作成のための一種の参考書。全文にわたって朱書の乎己止点(博士家点。星点のみで種別は不明)および墨書の仮名・返り点・四声点などが加えられている。加点の年代は書写時期に近い14世紀初期頃であろう。

時代:14世紀|数量:1冊巻

源氏物語 胡蝶 (旧高松宮家禁裏本) 本館蔵

伏見宮邦高親王・近衛政家・一条冬良ら、公家や僧侶が54帖を各帖ごとに分担して書写したもの。冬良が統轄者で、各帖に冬良自身の奥書がある。本文は『源氏物語』の中でも河内本系に属する。

時代:14世紀|数量:1巻

大和物語 複製 原品:本館蔵

平安時代の歌物語の一つで、10世紀中頃、『伊勢物語』にならって作られた。『大和物語』の古伝本は二条家本系と六条家本系とに大別されるが、本書は二条家本系の最古の写本の一つである。

時代:鎌倉時代|数量:1巻

北山抄 巻第二 複製 原品:前田育徳会尊経閣文庫蔵

平安時代中期に藤原公任(966~1041)によって作られた私撰の儀式書。書名は公任が晩年に隠棲した京都・北山の地名による。恒例・臨時の儀式、太政官の政務、国司の行事などを記す。全10巻。展示個所は11月新嘗会における豊明節会の部分。本書の原本は平安時代後期の写本である。

時代:平安時代|数量:1冊

内裏式 中巻 複製 原品:宮内庁蔵(九条家本)

平安時代前期に嵯峨天皇が右大臣藤原冬嗣(775~826)らに命じて撰定させ、弘仁12年(821)に奏上された最初の勅撰の儀式書。全3巻。正月から12月までの年中行事と4項目の臨時行事とから構成される。展示個所は11月新嘗会の部分。本書の原本は鎌倉時代後期の写本である。

時代:鎌倉時代|数量:1冊

終了予定日:2024年11月17日(日)

護摩蜜記 複製 原品:奈良県 西大寺蔵

長元8年4月12日に書写したとの奥書(朱書)があるが、筆者は不明。朱書の仮名・平己止点(宝幢院点)は奥書に見える長元8年4月頃に加えられたものであろう。また別に墨書の仮名も一部に加えられている。

時代:長元8(1035)年|数量:1巻

金光明最勝王経 巻第七 複製 原品:奈良県 西大寺蔵

天平宝字6年2月8日、百済豊虫が両親の追善のために発願した供養経。全巻にわたって白点(第二群点)と白書の注記があり、さらに朱点が加筆されている。白点は天長7年(830)頃と推定されている。また朱点は喜多院点で、承徳元年(1097)に加えられた。

時代:天平宝字6(762)年|数量:1巻

京程並宮城内裏諸図 複製 原品:東京国立博物館蔵

『延喜式』(九条家本)に付属する図画。平安京内の条坊寸法や、左京・右京図、大内裏・内裏・八省院・豊楽院図が収められている。右京図の末尾は後世に補写したもの。平安京に関する古図としてはもっとも古いものの一つである。

時代:14世紀|数量:1巻

終了予定日:2024年12月15日(日)

御堂関白記 上巻 複製 原品:京都市 陽明文庫蔵

藤原道長(966~1027)39歳の年の自筆日記。時に正二位左大臣で、公卿の筆頭の地位に昇っていた。道長の自筆日記は現在14巻が伝わっており、いずれも一日分3行取りの具注暦(日の吉凶などの注があらかじめ書き込まれている暦)の行間余白に日記を書いている。

時代:寛弘元(1004)年|数量:1巻

印刷文化

終了予定日:2024年10月6日(日)

【国宝】宋版史記(黄善夫刊本) 巻五十 本館蔵

史記集解・索隠・正義の三注合刻本で、全130巻完存した現在最古本。「建安黄善夫刊・于家塾之敬室」の刊記があり、建安(現在福建省)で刊行。直江兼続・上杉藩校興譲館伝来。

時代:南宋慶元年間(1195~1201)刊|数量:1冊

【重要文化財】宋版備急千金要方(びきゅうせんきんようほう) (金沢文庫本) 巻第二一 本館蔵

唐代に成立した医書。本書の開版は南宋の孝宗〈1163~1190〉頃のことと推定される。本文中には補刻の部分も多いが、13世紀初期のものと考えられる。金沢文庫の黒印が押されている。

時代:南宋・12世紀後期刊|数量:1冊

新刊五百家嘉慶註音弁唐柳先生文集 五山版 巻第四五 本館蔵

刊記に見える兪良甫は、明国福建仁徳里台諫坊の住人であったが、わが国に渡来し、京都に住んで、五山版の刊行に携わった。彼の他にも明の刻工が来朝しているが、その活躍を示すものである。

時代:嘉慶元年(1387)刊|数量:1冊

版本法華疏記(ほっけしょき) 叡山本 巻第三下 本館蔵

本書は、法印権大僧都承詮が願主となり、弘安5(1282)年~永仁4(1296)年頃にかけて、開版したもの。叡山版は、南都版や高野版に比して遺品が少なく貴重。版下筆者に宋人了一の名が見える。

時代:13世紀末刊|数量:1冊

版本群書治要 古活字版(銅活字)駿河版 巻四一

徳川家康は駿府(静岡市)に隠棲後、銅活字を鋳造して印刷を行わせたが(いわゆる駿河版)、本書はその一つである。そのときの銅活字は現存し、重要文化財に指定されている。

時代:元和2(1616)年刊|数量:1冊

版本大学衍義 巻第四 本館蔵

本書は朝鮮で宣徳9年(1434・甲寅年)に鋳造された銅活字「甲寅字」によって印刷されている。その文字・印刷は美しく、朝鮮における銅活字印刷技術の水準の高さをよく示している。

時代:16世紀|数量:1冊

版本孟子 巻第四 本館蔵

刊記に「関東上総住今関正運刊」とあり、本書の開版は上総国の人によって行われた。古活字版の刊行には広く各地の人が関係していた様子がうかがいしられる。

時代:17世紀初期|数量:1冊

版本源氏物語 古活字版 椎本 本館蔵

源氏物語の最古の版本として著名。標題は光悦風の書で、いわゆる嵯峨本の一つとされている。刊記はないが、慶長年間(1596~1614年)頃に木活字をもって印刷されたものである。

時代:17世紀初期|数量:1冊

版本太平記 巻第三三・三四 本館蔵

太平記は古活字版の国文学書の中でも最も早く開版され、重版も多い。本書も刊記には「慶長十五年(1610)」とあるが、開版時の刊記を継承した元和~寛永ころの重版と推定される。

時代:17世紀前期|数量:1冊

東国と西国

終了予定日:2024年10月6日(日)

紀伊国神野真国庄絵図 複製 原品:京都市 神護寺蔵

神野・真国両庄が康治2年に鳥羽院領荘園として立券される際、その境界を示すために作成された絵図。周辺の7箇所に牓示とその位置が記され、裏には立会人の署判がある。現存する中世荘園の四至牓示図では最古のもの。

時代:康治2(1143)年|数量:1幅

播磨国鵤庄絵図(嘉暦図) 複製 原品:奈良県 法隆寺蔵

鵤庄は現在の兵庫県龍野市・太子町付近に当たる。法隆寺の最も重要な荘園で、末寺として建立された斑鳩寺が今日に残る。絵図には付近の景観と条里の界線が描かれ、地名・牓示・周囲の荘園などが記されている。

時代:嘉暦4(1329)年|数量:1幅

紀伊国高家庄絵図 複製 原品:京都市 大徳寺蔵

高家庄は現在の和歌山県日高郡日高町付近に当たる。山と川、家々などを簡潔に描写しており、大徳寺領の原村・池田・東庄・西庄と聖護院領の「ほん庄」の領域や位置関係を示したものと思われる。

時代:14世紀|数量:1幅|

紀伊国井上本庄絵図 複製 原品:京都府・随心院蔵

井上本庄は紀ノ川北岸の現和歌山県粉河町付近。井溝や溜池などの水利を中心に荘園の領域全体を美しく描き、現地ともよく符合する。明徳4年(1393)の随心院と粉河寺の相論の頃の作成か。

時代:14世紀末ころ|数量:1幅

大名と一揆

終了予定日:2024年10月6日(日)

黒韋肩裾取威腹巻 本館蔵

時代:15~16世紀|数量:1領

雑々古文書 第2巻 本館蔵

京都の収集家、田中教忠氏が集めた土地売券類の巻物。

右の文書は、田地の売券。土地の売買にあたっては、土地の所有を証明する本券文を買主に渡す必要があった。

左の文書も田地の売券。法性寺は藤原忠平が創建した藤原氏の氏寺。年末の入用で売却したのだろうか。土地売買の時期も、売券の性格を考えるにあたっては重要な情報となる。

●大中臣武友女田地売券
写真釈文(読み)
●中務丞源忠員田地売券
写真釈文(読み)

時代:平安時代 〜 室町時代|数量:1冊

田代文書 本館蔵

本文書は室町幕府将軍である足利尊氏が花押を据えて発給した御判御教書。御教書とは、従者が主人の意を伝達する形式をとる文書だが、室町幕府の将軍が花押を据えた右のような文書を御判御教書と呼んだ。本文書では、田代一若丸(頼綱)に対して、佐渡判官入道(佐々木導誉)に従って近江国へ向かうことを命令している。軍勢催促状の機能をはたす文書である。

●足利尊氏御判御教書
写真釈文(読み)

時代:鎌倉~南北朝時代|数量:1冊

大航海時代のなかの日本

終了予定日:2024年10月6日(日)

花樹鹿虎蒔絵螺鈿洋櫃 本館蔵

時代:桃山時代(16~17世紀)|数量:1点

花鳥蒔絵螺鈿抽斗付平櫃 本館蔵

オランダ東インド会社の記録によれば、1635年から45年にかけて、輸出品の櫃の形式が、従来のドーム形の蓋をもつ櫃から、平らな蓋をもつ櫃へと徐々に変化していったことがわかる。南蛮様式の輸出漆器の最末期にあたるもの。

時代:江戸時代初期(1630年代~40年代)|数量:1点

藤秋草鳥蒔絵螺鈿箪笥 本館蔵

通常の書箪笥より、やや小ぶりの箪笥。東インド会社の記録によれば、1635年から45年の時期を境に、前蓋のかわりに観音開きの扉をもつ箪笥の輸出量が増えている。ただし、本資料は、新しい需要にあわせてヨーロッパで改装されたものであろう。

時代:桃山時代(16~17世紀)|数量:1点