期間限定の展示資料:第2展示室
王朝文化
終了予定日:2024年12月15日(日)
年中行事秘抄 本館蔵
朝廷の一年間の行事を記した年中行事御障子文(ねんじゅうぎょうじのみしょうじぶみ)の内容に注釈を加えた書。注釈のなかには、現在は失われた逸書の引用も見られる。12世紀前半に外記(げき)の中原氏によって作られた書がもととなり、その後の加筆によって複数の系統が存在するが、本写本は鎌倉時代初期に成立した写本の系統にあたる。
時代:室町期写|数量:1帖
【国宝】金光明最勝王経 巻第九 奈良県 西大寺蔵
天平宝字6年2月8日、百済豊虫が両親の追善のために発願した供養経。全巻にわたって白点(第二群点)と白書の注記があり、さらに朱点が加筆されている。白点は天長7年(830)頃と推定されている。また朱点は喜多院点で、承徳元年(1097)に加えられた。
天平宝字6 (762)年|数量:1巻
九会料簡 第一三 本館蔵
金剛界九会曼荼羅の解説書。久安4年5月26日に僧顕杲が書写し所持していた書である。墨書の片仮名・返り点などが加えられており、12世紀の片仮名資料の一つである。
時代:久安4 (1148)年|数量:1巻
護摩蜜記 奈良県 西大寺蔵
長元8年4月12日に書写したとの奥書(朱書)があるが、筆者は不明。朱書の仮名・平己止点(宝幢院点)は奥書に見える長元8年4月頃に加えられたものであろう。また別に墨書の仮名も一部に加えられている。
時代:長元8 (1035)年|数量:1巻
弘安源氏論議 本館蔵
弘安3年(1280)10月皇太子煕仁(ひろひと)親王(のちの伏見天皇)のもとで行われた『源氏物語』についての論議問答の概要を、親王の父である後深草天皇の求めに応じ、参加者の一人であった源具顕(ともあき)が筆録したもの。論議は親王の近臣8名がそれぞれ2問ずつ提出し、左右に分かれて16番行われた。童随身のことや、光源氏元服の際に大蔵卿が理髪を務めたことなどについて議論がなされた。鎌倉時代後期の宮廷においては『源氏物語』への関心が高まり、「源氏ごっこ」ともいうべき享受の形があったが、本書の叙述も「雨夜の品定め」に擬して始められている。
時代:室町期写|数量:1巻
御堂関白記 上巻 複製 原品:京都市 陽明文庫蔵
藤原道長(966~1027)39歳の年の自筆日記。時に正二位左大臣で、公卿の筆頭の地位に昇っていた。道長の自筆日記は現在14巻が伝わっており、いずれも一日分3行取りの具注暦(日の吉凶などの注があらかじめ書き込まれている暦)の行間余白に日記を書いている。
時代:寛弘元(1004)年|数量:1巻
終了予定日:2025年1月19日(日)
類聚雑要抄 巻第三 複製 原品:本館蔵
貴族階級に必要な有職(宮廷の儀礼等に関する知識)についてまとめた書。12世紀末頃に成立。饗宴の際の饗鐉(もてなしの膳)や寝殿の内部とその調度などを、彩色によって詳細に描いている。平安時代末期の有職故実研究の重要な資料。
時代:18世紀|数量:1巻
終了予定日:2025年3月16日(日)
紙本墨書宮城図 複製 原品:京都府 陽明文庫蔵
宮城図(大内裏図)・内裏図・八省院図(朝堂院図)・豊楽院図を収める。『延喜式』(九条家本)の付図とともに平安時代の大内裏の様子をうかがわせる重要な資料。巻末に元応元年に僧頼円が鎌倉の足利上総前司の館で書写した旨の奥書がある。
時代:元応元(1319)年|数量:1巻
印刷文化
終了予定日:2024年12月1日(日)
【国宝】宋版漢書(慶元刊本) 巻三二 本館蔵
南宋慶元刊本として完存。「建安劉元起刊/丁家塾之敬室」「建安黄善夫刊/丁家塾之敬室」の刊記ならびに慶元年間の建安劉之問識語がある。刊年・出版地・伝来は『史記』に同じ。
時代:南宋慶元年間(1195~1201)刊|数量:1冊
【重要文化財】宋版備急千金要方(びきゅうせんきんようほう) (金沢文庫本) 巻第一九 本館蔵
唐代に成立した医書。本書の開版は南宋の孝宗〈1163~1190〉頃のことと推定される。本文中には補刻の部分も多いが、13世紀初期のものと考えられる。金沢文庫の黒印が押されている。
時代:南宋・12世紀後期刊|数量:1冊
新刊五百家嘉慶註音弁唐柳先生文集 五山版 巻第二 本館蔵
刊記に見える兪良甫は、明国福建仁徳里台諫坊の住人であったが、わが国に渡来し、京都に住んで、五山版の刊行に携わった。彼の他にも明の刻工が来朝しているが、その活躍を示すものである。
時代:嘉慶元年(1387)刊|数量:1冊
版本法華疏記(ほっけしょき) 叡山本 巻第四末 本館蔵
本書は、法印権大僧都承詮が願主となり、弘安5(1282)年~永仁4(1296)年頃にかけて、開版したもの。叡山版は、南都版や高野版に比して遺品が少なく貴重。版下筆者に宋人了一の名が見える。
時代:13世紀末刊|数量:1冊
版本群書治要 古活字版(銅活字)駿河版 巻四三
徳川家康は駿府(静岡市)に隠棲後、銅活字を鋳造して印刷を行わせたが(いわゆる駿河版)、本書はその一つである。そのときの銅活字は現存し、重要文化財に指定されている。
時代:元和2(1616)年刊|数量:1冊
版本大学衍義 巻第六 本館蔵
本書は朝鮮で宣徳9年(1434・甲寅年)に鋳造された銅活字「甲寅字」によって印刷されている。その文字・印刷は美しく、朝鮮における銅活字印刷技術の水準の高さをよく示している。
時代:16世紀|数量:1冊
版本貞観政要 巻第一 本館蔵
関ヶ原合戦直前の慶長5年2月、西笑承兌が徳川家康の命により刊行した旨の刊記がある。ここには家康が、秀吉の遺命により秀頼をよく輔佐していることを讃えているのが注目される。
時代:慶長5(1600)年刊|数量:1冊
版本源氏物語 古活字版 早蕨 本館蔵
源氏物語の最古の版本として著名。標題は光悦風の書で、いわゆる嵯峨本の一つとされている。刊記はないが、慶長年間(1596~1614年)頃に木活字をもって印刷されたものである。
時代:17世紀初期|数量:1冊
版本太平記 巻第三七・三八 本館蔵
太平記は古活字版の国文学書の中でも最も早く開版され、重版も多い。本書も刊記には「慶長十五年(1610)」とあるが、開版時の刊記を継承した元和~寛永ころの重版と推定される。
時代:17世紀前期|数量:1冊
東国と西国
終了予定日:2025年1月5日(日)
丹波国大山庄用水差図 複製 原品:京都府立総合資料館蔵
大山庄は現兵庫県篠山市に当たる東寺領荘園。本図に描かれた西田井村は用水を上流の宮田庄から供給されていたが、その条件をめぐって紛争が起こり、本図はその再契約の交渉過程で作成された。
時代:徳治3(1308)年|数量:1幅
摂津国垂水庄差図 複製 原品:京都府立総合資料館蔵
垂水庄は現大阪府豊中市・吹田市にまたがる東寺領荘園。本図の碁盤目区画と数字は条里の坪付で、同じ寛正4年(1463)10月に作成された「浜見取町」と数字で対応し、土地の検注に際して作成されたことがわかる。
時代:寛正4(1463)年|数量:1幅
和泉国日根野村絵図 複製 原品:宮内庁書陵部(九条家文書)
九条家領日根荘のうち、荘の中央部にあたる日根野村の荒野を開発する際に描かれた絵図。図の下部に緑色にぬられた荒野がみえる。寺社・耕地・在家が描かれた図の上部には人々がすでに生活していた。周辺には水源となった川や池も描かれている。
時代:正和5(1316)年|数量:1幅
陸奥国宮城郡岩城分七町荒野絵図 複製 原品: 奥州市立水沢図書館(留守文書)
留守家元の息女乙姫(宮城尼)が女子分として伝領していた地頭職を養子の留守家政に譲与した際に作成された絵図。四至に据えられた花押は乙姫の夫家広のもの。文書は乙姫・家政が譲りを受けた際の幕府安堵状。
時代:文永12(1275)年|数量:1幅
越前国高串村東大寺大修多羅供分田図 複製 原品:奈良国立博物館蔵
もと正倉院に伝来したもので、一連の開田図の一つ。写しだが、古代のおおらかな筆法をよく伝えている。条里の界線と周囲の景観を描き、田地の記載からは百姓の公田を集積して荘園が成立した経緯も知られる。
時代:天平神護2(766)年|数量:1幅
民衆の生活と文化
終了予定日:2025年1月5日(日)
年中行事絵巻 複製 巻第一二 原品:京都芸術大学蔵
原本は後白河法皇が作らせた60余巻の絵巻。近世の模写で一部が伝存する。展示しているのは、「祇園御霊会」や「稲荷御霊会」などの祭礼の様子を描いた部分。「御霊会」は、病気をはやらせる貴族や天皇の怨霊をなぐさめて病魔を退散させようとした祭礼で、都の祭りはこれから始まった。
時代:12世紀|数量:1幅
大名と一揆
終了予定日:2024年12月1日(日)
紺糸威胴丸 本館蔵
時代:16世紀|数量:1領
雑々古文書 第3巻 本館蔵
京都の収集家、田中教忠氏が集めた土地売券類の巻物。
本文書は、阿弥陀三尊像と田地の寄進状。寄進された高山寺方便智院は明恵の弟子空達房定真を開基とする。本文書によれば、「くわんけい」の祖父「せん日」が方便智院に阿弥陀堂を建立・寄進したことを縁として、くわんけいも阿弥陀三尊像を方便智院阿弥陀堂に寄進している。中世社会では寺社に対して田畠だけでなく様々なものを寄進していた。なお、本文書はくわんけいの自筆と思われ、町・村で生きる人びとの書きぶりを知ることができる。
●くわんけい寄進状
写真1 写真2|釈文1 釈文2
時代:平安時代 〜 室町時代|数量:1冊
仁和寺旧蔵古文書 第3巻 本館蔵
仁和寺旧蔵古文書は、吉備津社関係文書・近江国内の寺領文書・戦国期の仁和寺関係文書を主として、鎌倉末期から戦国期までの文書を収める。
本文書は将軍足利義持の命令をうけて、管領斯波義教が近江国守護六角満高に対して発給した文書。近江国波多郷での人夫徴発・検断権(警察権)の行使について、本所(近衛家)の干渉をなくし、以前と同様に石山寺が行うよう命じたもの。将軍→管領→守護という室町幕府の命令伝達方式が見てとれる。
●室町幕府管領奉書
写真|釈文(読み)
時代: 室町時代|数量:1冊
大航海時代のなかの日本
終了予定日:2025年1月5日(日)
花樹鳥蒔絵螺鈿洋櫃 本館蔵
空間を充填するように密に文様を描く例は、伝統的な蒔絵装飾には認められず、インドやイスラムの装飾様式の影響を受けたものと推測される。
時代:桃山時代(16~17世紀)|数量:1点
扇面蒔絵螺鈿洋櫃(台付) 本館蔵
付属の台は、「ジャパニング」と呼ばれる模造漆技術によってヨーロッパで製作されたもの。
時代:江戸時代初期(1630年代~40年代)|数量:1点
花鳥蒔絵螺鈿洋櫃 本館蔵
時代:桃山時代(16~17世紀)|数量:1点
草花蒔絵螺鈿箪笥 本館蔵
大小八個の抽斗をおさめる箪笥。南蛮漆器の主要品目は洋櫃と箪笥であった。多くの箪笥は、前面に倒れる形式の蓋を有する書箪笥(escritorio)であったが、本資料は前蓋を持たない点がやや珍しい。
時代:桃山時代(16~17世紀)|数量:1点