「和宮ゆかりの雛かざり」
開催概要
開催期間
2025年2月18日(火)~ 3月30日(日)
※館内メンテナンス・悪天候等、諸般の理由により、開館日・開館時間等の変更、各種催し物を延期または中止する場合があります。最新の情報は館のホームページ及びSNSでご確認ください。
会場
国立歴史民俗博物館 総合展示 第3室 特集展示室
料金
一般600円(350円)、大学生250円(200円)、高校生以下無料
※( )は20名以上の団体料金です。
※総合展示もあわせてご覧になれます。
※障がい者手帳等保持者は手帳等提示により、介助者と共に入館無料です。
※高校生及び大学生の方は、学生証等を提示してください。
※博物館の半券の提示で、当日に限りくらしの植物苑にご入場(16:00まで)できます。 また、植物苑の半券の提示で、当日に限り博物館の入館料が割引になります。
開館時間
2月まで 9:30~16:30(入館は16:00まで)
3月から 9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日
月曜日(月曜日が休日にあたる場合は開館し、翌日休館)、3月4日(火)
主催
大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館
みどころ
- 和宮所用と伝えられる雛人形は、有職雛(ゆうそくびな)(直衣雛)という貴族的な面立ちの上品な人形で、幕末期の富裕層における雛人形の典型的な作例です。
- 女雛の紫地の表着(うわぎ)の模様である「亀甲繋(きっこうつなぎ)に八葉菊」は、文久元年(1861)に和宮に調進された赤地の唐衣(からぎぬ)の裂(きれ)にもみられることから、和宮ゆかりの品であることを示す特徴ともいえます。
- 婚礼調度をミニチュアとして作った雛道具は、約80点を数えますが、当時の流行を反映してガラス製の器なども含まれます。江戸上野池之端にあった有名な雛人形店、七澤屋(ななさわや)製と推測されます。
- 御所人形・三ツ折(みつおれ)人形には、和宮が兄の孝明天皇(こうめいてんのう)の形見として譲渡された由緒のある人形も含まれます。
趣旨
幕末の動乱期、波乱にとんだ生涯を送ったことで知られる和宮は、仁孝天皇の第8皇女として生まれ、「公武合体」の証しとして文久元年(1861) 14代将軍徳川家茂に降嫁しました。
本展で展示する雛人形・雛道具類(本館所蔵)は、和宮所用として伝来したもので、有職雛と呼ばれる種類の雛人形と、江戸七澤屋製の各種雛道具、御所人形および三ツ折人形などが含まれます。
上巳(三月三日節)にとりおこなわれる雛まつりの行事は、江戸時代に入ってから広まりをみせ、多くの女性たちの支持を集めました。儀式が定着するにつれ、その装飾は華麗なものとなり、時代時代の流行を取り入れながら、寛永雛、元禄雛、享保雛、次郎左衛門雛、有職雛、古今雛と俗称される多彩な雛人形や、精巧に作られたミニチュアの道具類が生みだされていきました。『和宮様御雛満留』(宮内庁書陵部蔵)や『静寛院宮御側日記』(同)、『和宮様おひゐな御道具』(内閣文庫蔵)などの記録によれば、和宮は、数多くの雛人形を手もとにおき、また上巳にはあちこちと雛人形を贈りあうなど、雛まつりを楽しんだようです。
本館所蔵の雛人形・雛道具はその一部をなしていたと考えられ、江戸時代の文化や工芸技術を伝える資料として貴重です。
主な展示資料
内裏雛及雛道具付御所人形 より
- 有職雛(直衣雛)
- 御所人形 孝明天皇遺物など12躯
- 三ツ折人形 孝明天皇遺物のうち2躯
- 須磨明石図屏風
- 狗張子
- 牡丹唐草文蒔絵雛道具
内裏雛 より
- 有職雛(直衣雛)
- 雛屏風
など約100点(すべて本館蔵)
展示代表
日高 薫 ひだか かおり (国立歴史民俗博物館 情報資料研究系 教授)
専門分野:漆工芸史
主な研究テーマは、蒔絵を中心とする漆工芸史および日本の装飾芸術の特質に関する研究、交易品としての漆器をめぐる文化交流に関する研究。また、在外の日本関係資料の調査研究をすすめている。
東京大学文学部美術史研究室、共立女子大学国際文化学部研究助手を経て、1994年から国立歴史民俗博物館に所属。
1)有職雛(直衣雛) 国立歴史民俗博物館蔵
和宮ゆかりの雛人形は有職雛(ゆうそくびな)である。有職雛とは、有職(朝廷・公卿(くぎょう)の儀礼に関する知識)にもとづき、実際の公卿装束とかわらぬ装束を着せかけた雛人形のことをいい、18世紀後半につくられ始めた。
本品の場合、男雛が直衣(のうし)を着けていることから、とくに直衣雛(のうしびな)とも呼ぶ。本資料は、徳川宗家に伝来したもの。
2)狗張子 国立歴史民俗博物館蔵
3)猫足膳 国立歴史民俗博物館蔵
4)そば道具・会席膳 国立歴史民俗博物館蔵
5)十種香道具 国立歴史民俗博物館蔵
6)乗物・葛箱・長刀・挟箱 国立歴史民俗博物館蔵
7)御所人形 国立歴史民俗博物館蔵