第43回 歴博映画の会「宮古諸島の祭祀と年中行事における植物利用」

歴博映画の会

開催要項

日程

2024年9月21日(土) 13:30~15:30

場所

国立歴史民俗博物館 講堂

定員

240名(定員は予告なく変更する場合があります)

参加費

無料(事前申込不要・当日先着受付)

主催

国立歴史民俗博物館

協力

国立歴史民俗博物館友の会

上映作品

『宮古諸島の祭祀と植物』(制作:春日聡/2024年/約50分)

内容

沖縄県各地でおこなわれている祭祀と年中行事では、植物を利用する場面が数多く見られます。利用の目的については、神や祖霊への供物や神饌、そのための食器として、または、祭祀空間における依り代や呪具、建材として、あるいは、人びとの出で立ちを形成する草装としてなど、多種多様です。

今回は、宮古諸島における祭祀と年中行事を発表者が現地で撮影した映像を通して、植物利用の諸相から解説します。

発表者は、歴博研究映像『ブーンミの島』(2023年)を監督・制作しました。宮古諸島では、苧麻(ちょま)をブーと呼び、苧麻から取りだした繊維を手で績(う)むことをブーンミ(苧麻績み)と呼びます。

本作は、苧麻の栽培・収穫、繊維の取り出し、糸績(いとう)み、よりかけ、綛(かせ)かけ、藍による染色、織りの過程を、宮古苧麻績(みやこぶーん)み保存会の活動を中心に映像で記録し、糸づくりに関わる多くの人びとの語りのほか、宮古諸島の自然環境や集落の祭祀と年中行事などを織り交ぜてまとめたドキュメンタリー映画です。

今回の映画の会で発表する映像作品『宮古諸島の祭祀と植物』は、『ブーンミの島』を制作する際に調査・撮影した植物を利用する祭祀や年中行事の映像を再編集した作品です。これらの映像は『ブーンミの島』本編では見ることのできない映像です。『ブーンミの島』の編集時にも植物を利用する祭祀と年中行事のシークエンスを複数制作しましたが、最終的にはその多くをあえて割愛したのです。

貴重な映像記録をなぜ割愛したのか、制作者はその局面でどういった判断をしたのか、割愛した映像記録をどのように利活用すれば良いのか。

今回の映画の会では、いわゆる民俗事象の解説だけではなく、映画制作の実際について一例を挙げ、制作者の立場からお話ししようと思います。

解説

春日 聡(本館客員准教授)