第441回「中国と加耶と倭」
開催要項
日程
2022年11月12日(土)
講師
上野 祥史(考古研究系准教授)
講演趣旨
加耶は、古代東アジアにおいて、隣接する諸国・諸地域と関係をもち、その歩みを進めてきました。今回は、企画展示を紹介しつつ、加耶をとりまく国際環境を出土資料の比較を通じてとらえてみることにします。まず、中国と加耶との関係を、出土資料や文字記録からたどり、倭や百済など他国と中国との関係と比較することで、国際社会のなかでの加耶の位置づけを探ります。そして、加耶と倭との関係を、倭の視点からとらえてゆきます。両者の関係は、須恵器や馬、あるいは鉄製品など金工品の伝来や、その生産技術の導入など、加耶から倭への動きに注目は集まりますが、倭系文物の動きからその関係を検討してみます。
東アジアの交流は、中国から朝鮮半島へ、朝鮮半島から日本列島へという流れで理解することが多いのですが、それぞれが相互に関係もちつつ交流してきた様子を、中国と加耶、倭と加耶との関係を対照して眺めてみたいと思います。